腎臓ガン・腎臓結核・腎盂ガンについて:泌尿器科の基礎知識

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腎臓ガン・腎臓結核・腎盂ガンについて

腎臓腫瘍

 腎臓腫瘍というのは、たまに良性のものもありますが、ほとんどは悪性と考えたほうがいいでしょう。

 成人には腎実質から発生する腎細胞ガンと腎盂に発生する腎盂ガンがあり、子どもの場合は、腎芽細胞腫とうのがあります。
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腎細胞ガン

 このガンは、かつてグラヴィッツ腫瘍、またはハイパーネフローマなどと呼ばれていました。

 発生の原因は不明ですが、喫煙、脂肪やコレステロールのとりすぎ、心筋梗塞になった方、女性の肥満、化学物質のカドミウム、ホルモンとの関係が指摘されています。

 腎細胞ガンにかかる人は、10万人に2人ぐらいで、40~50歳に多く見られます。また、男女比を見ると二対一の割合で、男性のほうが多いようです。

 腎臓機能が悪く、血液透析を行っている人が、不幸にして腎臓ガンになる確立は、正常人の約40倍です。

 このように、腎臓の働きがないからといって腎臓ガンがなくなることはなく、逆に発生する率が高くなるという結果が出ていますから、透析者は腎臓の検査を行うことが大切です。
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腎臓腫瘍の症状

 腎臓腫瘍は、昔から三大症状といわれている症状があります。

 まず第一は血尿です。無症候性の血尿があります。第二は腫瘤です。そして第三はこの腫瘤が痛む、腎臓の痛みです。

 この三大症状が出るということは、かなり病気が進行した証拠です。腎臓腫瘍というのは、尿の流れとは関係ないところにできるので、血尿が出るという症状は、もう内側の壁を破っている状態です。

 それから腫瘤が触れるというのは、腫瘍のできた部位にもよりますが、大きなおできになってしまった状態です。2㎝以上だと、どこかに転移している可能性が高いといわれています。また、痛みがあるという症状は、腫瘤がかなり大きくなり神経を圧迫しているからです。

 さらに進行すると、貧血、体重減少、発熱などの全身症状が見られます。しかし、このような症状は、もう末期症状です。

 昔は、画像診断などなく、造影剤を注射して尿が流れている状態を見るといった、簡単な排泄製腎盂撮影をおこなっていました。この尿の流れの形で、腎臓の形が変わっているかどうか、何か悪性のものがあるかどうかを知るしかありませんでした。

 しかし、現在は、エコー(超音波検査)やCT(コンピュータ断層撮)、NMR(磁気共鳴診断装置)といった、いろいろな診断法がありますから、症状がなくても、病気を発見することができます。超音波検査などでは、だいたい1センチ以下ぐらいのものでも見つけることができます。

 このような診断学の発達により、早期発見することができ、無症状の段階で根治的に治療できるようになりました。ですから、腎臓ガンだからといって怖がる必要はありません。
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転移性の強い小さい腎臓ガン

 早期発見・早期治療ができるようになった、とはいうもののやはりガンはガンです。

 腎臓ガンの中には小さくても元気がいいのがあります。これは、小さいのに、すぐどこかに飛んでいってしまう、「転移」する正確のガンなのです。

 腎臓ガンの場合、ガンが血液に入ってしまうと、肺に移転してしまいます。肺というのはフィルターの役目をしていますから、肺のほうにコインのような感じの悪いモノがポーンとできてしまいます。要するに、転移性の肺ガンが腎臓ガンより先に見つかり、あとから腎臓ガンがみつかるというケースがあります。ガンが肺になるから肺ガンといいますが、もともと腎臓が原因だということがあるのです。

 肺のほかに、ガンが骨に行くこともあります。脚が痛いと整形外科に行き、いろいろ調べてみたら腎臓ガンだっということもあるのです。

 ガンは、どこに転移しても細胞が同じですから、本来もっている性格をもっています。したがって、肺なら肺、骨なら骨に行ったガンの組織を見れば、源発がどこなのかということはだいたいわかります。

 このように腎臓とはぜんぜん関係のないところの病気によって、腎臓ガンを発見することができるのです。

 ぽんぽん移転する正確をもったガンは、肺や骨に転移した後も、その正確をしっかりもったままです。ですから、何の症状も小さいからといって安心してはいけません。すぐに、専門医の指示に従い、治療にあたってください。
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腎臓ガンの治療法

 まず第一に手術療法があります。これは、副腎・腎臓周辺を含めて、腎臓を摘出する手術です。これを根治的腎摘出術といいます。転移巣があっても患者さんの全体の状態がよく、手術に耐えられれば、腎臓を摘出します。

 これは、原発巣を摘出することによって、転移巣が消えてしまったという報告がありますが、少しでもガンの病巣を小さくすることを目的としています。

 補助療法として、転移巣治療と症状の改善を目的として、放射線療法をします。そして、全身的に治療を行うためには、化学療法として抗がん剤を用います。多く使われているのが、インターフェロンですが、最近では抗がん剤の他剤併用療法も行われています。

 その他の療法として、ホルモン療法、腎動脈塞栓術などがあります。ホルモン療法では、酢酸メドロキシプロゲステロンが使われています。

 腎動脈塞栓術とは、腎動脈をアルコール、コイル、ゲルフォームなどを用いて閉塞させ、ガンを殺してしまう方法です。ガンを殺してしまうことで、手術をやりやすくします。また、抗がん剤を同時に注入することによって、手術ができない患者さんに対しても効果的です。
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腎盂ガン

 腎盂ガンは組織学的に、尿管、膀胱と同じです。特に腎盂と尿管は一つの臓器として考えなければなりません。

 腎盂ガンは、尿の流れてくる道の表面のところにできます。ですから、症状としては膀胱ガンと同様、無症候性の血尿が約5人に4人の割合で出ます。この血尿は、血が膀胱よりも上のほうから流れてくるわけですから、尿の全部が真っ赤になります。

 その他の症状としては、たまたまガンの出血により、尿の流れが止まってしまい腎臓が腫れて、そのために痛んで病院に来る方があります。しかし、腎盂ガンそのものの病気で痛むということはなく、血尿が症状といえるものですから、十分尿のチェックをしてください。

 尿検査や排泄性腎盂撮影、超音波検査、CT検査、内視鏡検査などをおこない、総合的に診断します。

 治療法としては、腎盂尿管の摘出と、膀胱部分を切除する手術をおこないます。また、補助療法として手術後に、放射線療法をおこないます。さらに、化学療法として、マイトマイシン、メソトレキセート、シスプラチン、アドリアマイシンなどの抗がん剤を併用して治療をおこないます。
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子どもの腎臓腫瘍

 子どもの腎臓のガンを「ウイルム腫瘍」といいます。ウイルムスという人が発見したことから、このような病名がつけられました。

 この「ウイルムス腫瘍」というのは、先天的なものです。腎芽腫といって小児悪性腫瘍の代表的なものの一つです。頻度は小児製悪性腫瘍の5%を占め、6歳以下の子どもに多く見られます。また、奇形の合併症も見られるので気をつけましょう。

 この病気は、親の力が必要です。なぜかというと、触ってみないとわからないからです。子どもといっしょにお風呂などに入り、子どものお腹を触ったり、撫でたりしたときに、「何かおかしい」と気がついて病院に来られる方が多いようです。腫瘤でだいたい気づくようです。

 そのほかには、症状は特にありませんから、親子でお風呂に入り、スキンシップを図ることで発見するしかないのです。

 子どもの腹部に何か見つけたら、すぐに病院へ連れて行きましょう。診断方法は、超音波検査、排泄腎盂撮影、CT検査、バリウム浣腸、大動脈撮影などをおこないます。

 治療は、腫瘍と思われる隣接臓器を含めて摘出する手術をおこない、術後に放射線療法や、アクチノマイシン-D(ACT-D)、ビンクリスチン(VCR)、ADM、サイクロホスファミド(CPM)などを用いた化学療法を行います。なかでも放射線法や化学療法がよく効きます。
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腎結核

 腎臓が結核になった場合を腎結核といいます。現在では、もう過去の病気といった感じですが、一施設で年に一人か二人、発見される程度です。

 この腎結核は、非常におもしろいことに、両方いっぺんに病気にやられてしまうということはありません。片側だけやられます。

 これは、免疫と関係があるのではないか、といわれていますが、理由はまだ解明されていません。また、腎臓がやられると、尿が腎臓から膀胱に流れているため、二次的に膀胱のほうもやられてしまい、結核性の尿肝炎、膀胱炎になります。

 結核というと、肺というのが常識です。昔、肺結核にかかったことがあったり、家族の中に結核の人がいたときに見られることが多いようです。

 初期は、症状は何もありません。病気がかなり進行してくると、腰痛や微熱などの症状が出てきます。結核性膀胱炎は非常に痛みが強く、特別な尿の異常があります。血尿が出る場合もまれにあり、したがって、膀胱炎から腎臓結核が発見されることあります。

 これは、普通の炎症とは異なり、結核菌が原因ですから、抗菌剤が一番多く使われ、非常に効き目があります。たまに、尿管の狭窄や膀胱が小さくなる萎縮膀胱になってしまうことがあります。
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